不思議な縁

先月亡くなった父の写真のなかに面白いものを見つけた。

cozy_image.jpg

風貌からすると父はまだ20代の頃だろうか。

ボクはこの時代の自転車には疎いので、
メーカーや車種はよくわからないが、
リアは外装変速機が見え、スピードメーターも装着している。
どう見ても、家にある自転車でちょっと出掛けた、という感じではない。

後ろに文字が見えるが、「烏山観光協会」とある。
烏山は東京の烏山ではなく、栃木県の旧烏山町のことだ。
当時は町だったが、現在は旧烏山町と旧南那須町が合併し
那須烏山市になっているそうだ。
ここは地理的には喜連川が近い。現在のさくら市だ。

小学校2〜3年に父は市内の職場まで自転車で通勤していたのを覚えている。
当時としてはかなり高級な軽快車だった。
デザインも当時としては斬新だった。
しかし今回の写真は、今まで見たことも聞いたこともない
父の「サイクリスト」の姿だった。


ここでピンと来た。

父はこの頃、外資系の石油会社に勤めていたはず。
そして、喜連川は母の実家のあった町だ。
ここには市街地に入る前に堤防の道路のような桜並木があって
近隣では桜の名所として有名だ。

なるほど・・・。
ひょっとすると父は母に会いに自転車でこの近辺へ
出掛けて行ったのだろうか?
あるいは二人でサイクリングしたのか?
はたまた・・・・。

今となっては確認する術はないが、自分と妻がやっていたようなことを
ひょっとすると父も何十年も前にしていたのではないかと思うと
嬉しいやら気恥ずかしいやら、少々不思議な気分になった。

それはさておいて、父がこんな本格的なサイクリング車に乗っていたことも
聞いたことがなかったから驚いた。

改めて、不思議な縁を感じてしまうのだ。

ところで父は、今頃あちらの世界で母を見つけられただろうか。

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このページは、cmemberが2013年5月20日 08:53に書いたブログ記事です。

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