柏原

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text by 赤様


柏原が引退した。

箱根駅伝で大活躍し、

「山の神」と言われた彼である。


まだ若いと思っていたが、

ケガが重なり決断に至ったという。


そのニュースには驚き、とても残念に思ったのたが、

それ以上に驚いたのが、

普段、駅伝や陸上競技を見ない人からも

「柏原、引退するの?!」と言われたことだ。


彼のセンセーショナルな走りが、

予想以上に多くの人の胸に刻まれていたのだろう。

箱根駅伝の影響力を改めて思い知った。


SNSでもその騒ぎは顕著で、

「陸上オタクと一般の人とを繋ぐ稀有な存在」

「柏原がいなければ箱根がそんなに盛り上がっただろうか」

と賛辞の声が多かった。


どうやら世間には、

彼は「山」の人という固定観念があるが、

実は平地でも速かったというデータがある。


大学駅伝には、出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝と、

3つの大きな大会があるが、

大学1年のときには、

出雲で区間2位(日本人トップ)、全日本で区間賞。

2年では、出雲、全日本ともに区間2位。

4年のときは、全日本で区間賞。

出雲、全日本には山のような区間はないのに、

この好成績だった。


多くの人が誤解しているようだが、

彼は平地でも速いのだ。

同時期に活躍したワセダのキャプテンから、

「異次元」と称されたほどだ。


しかし実業団に入ってからは、

よい印象を残せなかった。


マスコミが煽る影響なのか、

いかにも箱根のランナーが、

すごいレベルにあると思われがちだが、

箱根の選手は実業団に行けばひよっ子同然で、

オリンピックなど、そう簡単には手が届くものではない。


箱根のスター選手は10000m28分台なのに対し、

オリンピックに出るような日本のトップ選手は、

10000m27分台で走る。

1秒に何十人もひしめくトップランナーの世界で、

この差は大きい。


そこで彼はマラソンに活路を見出そうとした。

僕も適正はそこだと思っていた。


実際にマラソンにも出走したが、

多くの選手がそうであるように、

彼もまた度重なるケガに悩まされ,

競技を続けることを断念した。

まだまだ続けられる年齢だけに、

惜しい気がしてならない。


これからはスポーツを広めることを中心に活動の場を移す。

「楽しいと思えるうちに引退しよう」と思っていた彼なら、

多くの人たちにスポーツの楽しさを伝えられるのではないかと、

とても期待している。


彼の知名度を生かして多くの人が集まり、

スポーツに親しむ人があちこちで増えていったら、

彼も再び気持ち良く走れるのではないだろうか。


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