2時間の壁を破れ!

text by 赤様


Nikeが躍起になっている。

2時間という壁は、

いつ、誰が最初に破るのか。


マラソンの世界記録は2時間0257秒。

デニス・キメットが2014年の秋にこの記録を出してから、

人間が2時間を切るのも時間の問題か!

と関係者はソワソワしはじめた。


世界的スポーツメーカーは、

「最初に2時間を切ったときのシューズは、

他社のものであってはならぬ!」

とばかりにプロジェクトを組んだ。


特にNikeは「Breaking2」と銘打ち、

シューズ契約選手から挑戦者を選び、

下記の事柄を考慮した場所と日時を厳選し、

シューズまで開発する力の入れようだ。


場所は、

気温、湿度、そして何より

風が吹かないことなどの気象条件を考慮した。

そしてもちろん起伏がほとんどないことも重視した。


その結果選ばれたのが、

なんとフェラーリのお膝元、

イタリアのモンツァサーキット。


挑むのは、

エリウド・キプチョゲ(ケニア人選手、リオ五輪金メダリスト)

レリサ・デシサ(エチオピア人選手、2013年世界選手権銀メダリスト)

ゼルセナイ・タデッセ(エリトリア人選手、ハーフマラソン世界記録保持者)

と、申し分ない実力者3人。


選手には、参加料として50万ドルと、

2時間を切ればその記録に応じて

100万~150万ドルのボーナスが与えられるのだという。


そしてイタリア時間で5月6日早朝にその挑戦は行われ、

全世界にネットでライブ配信された。


レース中はNikeFacebookに、

世界中からコメントが秒単位で増えていくほど、

注目度の高さをうかがわせた。


結果はマスコミ発表の通り2時間0025秒と、

2時間切りにはわずかに届かなかった。

しかし、現在の世界記録を2分半以上と大幅に上回った。


残念ながらこの試みは、

ペースメーカーが何度も入れ替わり、

また自転車に乗った人間から手渡される給水方法など、

レギュレーションには当てはまらないものがいくつもあり、

記録は非公認の扱いになった。


それもあってか、

企業のイメージアップありきだとか、

公認される規則の範囲内でやるべきだなどの

否定的な意見もあったのだという。


しかしそれよりも、

人間の能力がそれに迫るところまできていることと、

スタッフを含めそれに挑戦しようとする強い意気込みが感じられたのは、

とても誇らしかった。


そして何より、

これが多くの現役選手への刺激になったのは間違いなく、

近いうちに2時間を切るのは確実だろうと思わされた。


今後adidasも挑戦するとか、しないとかのウワサがあるようだが、

挑むことは素晴らしいことだし、夢や元気を与えられる。

今後の動向が楽しみだ。


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このページは、cmemberが2017年5月12日 09:00に書いたブログ記事です。

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