蜂を駆除した英雄

text by 赤様

先日のドジャースの試合。
蜂が大量発生し試合開始が2時間も遅れる事態になった。

日本では、2時間も遅れるとだいたい中止にしてしまう。
でもメジャーリーグは予備日がそれほど無いため、
何時間遅れても試合を成立させようとする。

そんななかでもベースボールを見ようとするファンはいて、
チームは、彼らを飽きさせないための工夫をして、
それがすごく粋な出来事だった。

事態を解決させようと、
チームは蜂の駆除業者を呼んだ。
業者が来るまでの間、蜂(Bee)にかけて「be」のつく曲、
たとえば「Let it be」を流して観客を和ませたりした。

駆除業者のマット・ヒルトンさんが到着すると、
場内にはスクールウォーズの「hero」が流れ、
ファンはヒルトンさんを大歓声で向かえた。
ヒルトンさんも両手を挙げそれに応えた。
もはや、それ自体がショーのようだ。

想定外のことを楽しませてしまうのは、
さすがエンターテイメントの本場。
日本だったらどのくらいできるのだろうと考えてしまった。

めでたく駆除が終わり、
試合が始まろうとすると、
そのヒルトンさんが登場し、始球式を行うという。

今日の試合はどうなるんだと心配したファンからみれば、
彼は今日の英雄で、
その始球式が盛り上がらないわけがなかった。
事態はそれだけにとどまらず、
彼をベースボールカードにしようとする業者まで現れたのだった。

もし日本であれば、
蜂が群がってしまう原因を球場や関係者は、
事前に潰せなかったのか。。。
それにより2時間もの遅延が起こってしまうのは、
どうしてなんだ。。。
というネガティブなワードが、
ニュースを賑わせててもおかしくない。

でも、その事態を、
咄嗟にここまでポジティブに捉えることの方が、
どれだけ好印象を広げることに繋がることか。

日本のエンターテイメントも、
これくらい魅せてほしい、なんて思った出来事だった。
アメリカの懐の深さ、恐るべしである。



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このページは、cmemberが2024年5月10日 09:00に書いたブログ記事です。

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